今日、薬物乱用は低年齢化し世界的な問題になっている。薬物に
まつわる事件が多発し、さまざまな人々が薬物という悪魔に振り回
されて生きている。この背景には依存症という病気が深く関わって
いる。依存と共依存いう問題は薬物だけに限らずさまざまな形で私
達を苦しめる現代病である。
私の場合、弟が覚醒剤の依存症となってしまった。両親にとって
はまさか・・・という出来事であったに違いない・・・。私は知っ
ていた・・・。知っていて止められなかった・・。私も覚醒剤をや
ったことがある・・。私は、どん底に陥るまでには至らなかった。
しかし自分の影響で弟をどん底の世界に引き込んでしまった。「自
分のせいで・・・なんとかしなければ」・・・心を決めて立ち上が
り、家族とともに死に物狂いで今日一日を生きてきた。そして、こ
の実体験をもとにドキュメント物語を書いた。
これは決して、珍しいことではない。自分のまわりにいる人達が
いつ白い悪魔(覚醒剤)の虜になるかわからない。誰でもどこでも
簡単に薬物が手に入る時代。友達がやってるから・・・。彼氏がや
ってるから・・・。カッコイイから・・・。こういう事がきっかけ
で薬物乱用につながっていくことが一番恐い。薬物を使っても止め
られればいいが、止められずに薬物依存症になり、凶悪な事件、自
殺につながることは珍しくない。薬物をはじめるきっかけは簡単だ
が止めて世の中で生きていく事は容易なことではない。
現代には薬物をはじめ、アルコール・ギャンブル・人間関係など
さまざまな依存で苦しんでいる人達がたくさんいる。「どうしたら
いいのか?」今の自分に出来ること・・・。薬物依存症者を抱える
家族として、また自身も薬物経験者・共依存症者として実体験を訴
えていくしかない。一人でも多くの人々に薬物の恐さ・依存症とい
う病気があることを伝えたい。
依存症は完治のない病気である。「今日一日薬物をやらずに過ご
す、そしてまた今日一日やらずに・・・。そうして回復しながら生
きていくしかない」本当に恐い病気である。また、なんとかしなけ
ればと、もがき苦しむ家族達も「共依存症」という病気にかかって
いる。ある意味、家族の思考、行動が薬物依存へと追い込んでいる
ことも多々ある。自分が変わらなければ相手は変わらない・・・。
自分次第である。
薬物はこうして、使っていない人間までも病気に陥れていく。そ
の恐さを理解してもらうためにも「ADDICTION/今日一日
を生きた君」を上演したい。薬物のことで悩みを持っている人、苦
しんでいる人、これから薬物の誘惑が襲ってくるおそれのある若者
その家族にも観て頂きたい。勿論、芝居を見て病気が治るわけでも
ないし、悩みが、苦しみが解決するわけではない。「薬物やるな、
なんて偉そうに言えない」ただ「薬物やったらこうなるよって」自
分の経験を通し、真実をリアルに伝えたい。
将来的には施設や学校などでも活動を続け、映像にもしたい。薬
物を使っている人間だけが悪いわけではない・・・。その家族、仲
間、地域、社会、全体が一丸となり考えなければイケナイ問題だと
思う。薬物を使う前に防ぐ。依存症になってしまった人は強い心を
もって生きていく。この芝居が少しでもそのお役に立てればと思っ
ています。
